こどもの自発性を育てるには、家庭環境はもちろん、学校の授業方針も大切です。
では、どのような学校ならこどもの自発性が育つのか、またどのように家ではサポートすればいいのか気になりますよね。
この記事では、こどもが自発的に学び、行動できるようにするための学校選びや、ご家庭でのサポート方法をご紹介します。
自発性を育てるメリット
まずはじめに、自発性を育てるメリットをご説明します。
そもそも、自発性とは自分から積極的に行動する力のことです。
学校生活においては、先生の指示を待つだけでなく、こども自身が学びに向かう姿勢が自発性のある状態といえるでしょう。
もし、こどもが授業や課外活動に積極的に参加し、自分の興味や関心に基づいて学びを深めている姿をみられたら、親としてもうれしいですね。
こどもの自発性が育つと、こどもの将来にもいい影響、メリットがあります。
こどもの自発性を育てるメリットは以下の4つです。
学校で自発性を育てるメリット
- 問題解決力がつく
- リーダーシップが身につく
- コミュニケーション能力が上がる
- 豊かな人間関係ができる
学校で自発性を育てるメリット①:問題解決力がつく
学校で自発性を育てることで、こどもは自然と問題解決力を身につけます。
授業中やグループ活動で直面する課題に対し、自分で解決策を考える機会が増えるためです。
たとえば、算数の難しい問題やクラスメイトとの意見の相違など、こども自身がどう解決するかを試行錯誤する過程で、柔軟な思考力が養われます。
これにより、学校内外での課題にも冷静に対処できる力が育ち、将来的な成功にもつながります。
学校で自発性を育てるメリット②:リーダーシップが身につく
自発性を育むことで、こどもはリーダーシップを発揮する場面が増えます。
学校のクラブ活動や班活動などで、自ら進んで役割を引き受けることで、仲間を引っ張る力が養われます。
リーダーとしての経験を積むことで、自信がつき、周囲を動かす力が自然と身についていきます。
これにより、社会に出たときに必要とされるリーダーシップを発揮できるようになります。
学校で自発性を育てるメリット③:コミュニケーション能力が上がる
学校で自発性を育てることで、こどものコミュニケーション能力が向上します。
自ら意見を述べたり、他者と意見を交換する場面が増えることで、相手の意見を尊重しながら自分の考えを伝えるスキルが育ちます。
たとえば、クラス討論やグループワークでの発言が増えることで、こどもは自信を持って話す力を身につけることができます。
これにより、学校外でも良好な人間関係を築くための基盤が作られます。
学校で自発性を育てるメリット④:豊かな人間関係ができる
自発性を育むことは、こどもが豊かな人間関係を築くための重要な要素です。
自分から友だちを誘ったり、新しい仲間と積極的に関わることで、他者とのつながりが深まります。
学校での活動を通じて、多様な人々と関わる経験が増え、理解や共感の力が育まれます。
これにより、こどもは幅広い友人関係を築き、社会的なネットワークが広がるだけでなく、困難な状況でも支え合える関係を構築する力が身につきます。
自発性が育つ学校環境の重要性
こどもの自発性を育てることが重要なのはおわかりいただけたと思います。
次に、こどもの自発性を育てる方法が気になるところですね。
もちろん、家庭でのやりとりにおいて大切な点はたくさんあります。
しかし、家庭だけでは自発性を育てるには限界があるんです。
なぜなら、こどもは学校で過ごす時間が長く、学校の方針に大きく影響を受けるからです。
たとえば、固定されたカリキュラムだけでなく、こどもの興味や関心に応じた活動を推奨してくれる学校と、先生主導の授業のみの学校のどちらがこどもの自発性が伸ばせるでしょうか?
また、先生がこどもに対して「なぜこれを学ぶのか?」という問いかけをしているかどうかなども、自ら学ぶ意欲が高まるかどうかを左右します。
学校の授業スタイルや先生の姿勢で、こどもの自発性の伸びが格段に違ってくるでしょう。
自発性を育てるための学校選び5つの特徴
こどもの自発性を育てるために、学校選びが重要です。
学校がどのような教育方針を持ち、どのような授業を展開しているかを確認しましょう。
では学校のどんなところに注目すれば、こどもの自発性を伸してくれる学校だとわかるのでしょうか?
自発性を育ててくれる学校
- 自主学習の時間がある
- プロジェクトベースの学習がある
- 振り返りの時間がある
- 個別サポートがある
- 授業中、先生からの質問が多い
以上のような特徴が挙げられます。
聞きなれない言葉もあると思うので、解説していきます。
自発性を育ててくれる学校の特徴①:自主学習の時間がある
こどもの自発性を育てるためには、日常的に自主学習の時間を設けることが効果的です。
こどもが興味をもっているテーマや好きなことに取り組む時間をつくることで、自ら学びたいという気持ちを引きだせます。
たとえば、好きなテーマを決めて調べて発表する授業や、選択制の授業があったり、好きなものに関する部活がある学校がいいですね。
他にも、お子さんが興味のある分野の授業数が多い学校もいいと思います。
こどもが「勉強したい!」と思えることが自発性を伸ばす第一歩。
「こどもの好奇心が刺激される学校か?」にも注目してみましょう。
自発性を育ててくれる学校の特徴②:プロジェクトベースの学習がある
プロジェクトベースの学習という言葉を聞いたことがありますか?
プロジェクトベースの学習は、アクティブラーニングの一種で、「問題解決型学習」ともいわれ生徒が自ら問題を見つけ、解決する能力を養う学習方法です。
PBL(Problem Based Learning)ということもあり、 思考力の向上や知識の定着率アップなど、さまざまな効果が期待できます。
たとえば、こどもたちがチームで課題を見つけ、その解決策を考え、実際に取り組んでいくような活動です。
プロジェクトベースの学習では、こどもたちは自分たちで計画を立て、協力しながら進めることで、主体的に学ぶ力が養われます。
また、実際に手を動かしながら学ぶため、学びが深まりやすく、達成感もえやすいです。
達成感が味わえると、さらに意欲的に行動できるようになります。
このプロジェクトベースの学習を取り入れている学校を選ぶのもありです。
自発性を育ててくれる学校の特徴③:振り返りの時間がある
様々な学習方法がありますが、どの学習方法でも振り返りの時間は大切です。
授業の終わりにその日の学びを振り返り、「何を学んだか」「どのように感じたか」「次にどう生かせるか」を考える時間があるかどうかにも注目してみましょう。
学習の振り返りを通して、こどもたちは自分の成長や課題を客観的に見つめ直すことができ、次にむけた目標や改善点を明確にすることができます。
振り返り活動は、学びを深め、自分自身を理解するために非常に大切なプロセスです。
定期的にでも、振り返りの時間がある学校なのかをチェックしてみてください。
自発性を育ててくれる学校の特徴④:個別サポートがある
先生がこども一人ひとりに寄り添い、個別にサポートしてくれているかもとても大切なポイントです。
授業中や課外活動で、こども一人ひとりの理解度や進捗にあわせて指導を行うことで、こどもが自分のペースで成長できる環境が整っていきます。
先生のサポートにより、こどもは安心して授業に取り組み、自発的に学ぶ力を身につけていくのです。
とはいえ、現代の日本教育においてここまできめ細やかなサポートは難しいのが現状ではないでしょうか。
こどもが先生に相談しやすいような風土なのか、補習授業は充実しているのかなどを見てみるといいですね。
自発性を育ててくれる学校の特徴⑤:授業中、先生からの質問が多い
授業中に、先生が生徒にたくさん質問を投げかけることがよくあります。
この方法は、こどもたちの考える力を養い、自分の意見をいう機会を増やすためにとても効果的です。
質問に答えることで、自分で考える習慣がつき、自発的に学ぶ姿勢が身につきます。
また、先生の質問を通じて、授業内容を深く理解することができるようになります。
先生によって授業スタイルが違うかもしれませんが、基本的な学校の授業方針がどうなのかを調べてみてください。
授業の見学ができる機会があるようなら、ぜひ参加して確認してみましょう。
学校で自発性を育てるための親のサポート方法
こどもの自発性を育ててくれる学校の特徴をご紹介しました。
とはいえ、全部そろっている学校はなかなかないですし、学校にだけ任せておけばいいということではありません。
こどもの自発性を育てるためには親のサポートが欠かせません。
以下の方法を取り入れることで、こどもが学校でも積極的に行動する力を身につける手助けができます。
親のサポート方法3つ
- 自主学習の習慣をつける
- 学校での役割をもたせる
- 成功体験を共有する
学校で自発性を育てるための親のサポート方法①:自主学習の習慣をつける
自主学習の習慣をつけることで、こどもの自発性が自然に育まれます。
親が宿題だけに頼らず、こどもが興味を持つテーマについて学ぶ時間を設けることで、自ら学びたいという気持ちが強まります。
たとえば、科学に興味があるこどもには、実験キットを用意して自宅での実験をサポートするなど、こどもが楽しみながら学べる環境を整えることが大切です。
こうした自主的な学習の経験は、将来の学びに対する積極的な姿勢を育てる基盤となります。
学校で自発性を育てるための親のサポート方法②:学校で学んだことを共有する
近年、アクティブラーニングが推奨されて、さきほど挙げた自主学習やプロジェクトベースの学習を取り入れている学校は多いと思います。
なので、家庭では振り返りの時間やこどもの理解度を確認してサポートすることに注力するのもいいでしょう。
たとえば、学校で学んだことをこどもと話しあい、こどもがどのように感じたかを共有したり、こどもが学校で取り組んだプロジェクトについて、家族と一緒に考える時間をつくるのがおすすめです。
学校で学んだことについて家でも話し合おうと思えば、こどもはより自分の学校での学びに責任をもつようになり、興味もでてくるようになります。
学校で自発性を育てるための親のサポート方法③:成功体験を共有する
成功体験を共有することで、こどもの自発性を育てることができます。
たとえ小さな成功であっても、親がしっかりと褒め、認めることで、こどもの自信が高まります。
これにより、次の挑戦に対する意欲が生まれ、自発的に新たな目標に向かって進む力が養われます。
たとえば、学校のテストで良い結果を出した場合や、部活動での達成感を感じたときに、その努力を称賛し、家族で喜びを共有することで、こどもは自分の力を信じ、さらに挑戦し続ける意欲を持つようになります。
このようなポジティブな経験の積み重ねが、こどもの将来の成功につながります。
まとめ:こどもの自発性は家庭と学校で育てる!
自発性は、こどもの学びや成長を支える大切な力であり、学校生活での成功にもつながります。
家庭でのサポートと学校での取り組みを通じて、こどもが自発的に行動できる力を育てていきましょう。
自発性を育てることができれば、こどもは学校だけでなく、将来にわたって自立した人間として成長していくでしょう。